夏期節電対策の裏技

化学工学会の提案(http://pari.u-tokyo.ac.jp/earthquake/plan_SCEJ.html)などを見るに一つ重大な点が忘れられている気がするので書く。
夏期節電対策の最も有効な対策は地球工学を用いて気温を下げることである。
人工的に気温の上昇を防ぐことは元々地球温暖化対策の一環として精力的に研究されていて、いくつかは試験段階に入っている。
Wikipediaから、主な技術を引用するに、

地球温暖化対策としての地球工学(抜粋)
・太陽光遮蔽技術。宇宙空間の静止衛星軌道や、ラグランジュ点などにスクリーンや、金属片などを多数打ち上げ、地球に向かう太陽光の数%を遮断する技術のこと
成層圏硫黄酸化物などのエアロゾルを散布し、地球に降り注ぐ太陽光を遮断する。火山灰による温度低下(日傘効果)を人工的に引き起こす技術である。パウル・クルッツェンが提案
・氷雪の太陽光のミラー効果を応用し、地表を鏡あるいは白い布などで大規模で覆う技術。全ての建物を白く塗るだけでも効果があると言われている。
地球工学 from Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E5%B7%A5%E5%AD%A6

このうち、巨大衛星による太陽光遮蔽は夏までの実現は不可能であろう。
硫黄酸化物エアロゾルの散布は既にフィールドリサーチが行われていて、実現可能性は高い。夏までに富士山が噴火すれば同様の効果が得られるが、この場合硫黄酸化物と一緒に炭化化合物も放出されてしまうので、噴火を待たずに人工的に散布した方が良い。具体的な効果は不明だが、ピナトゥボ山の噴火の際には北半球の平均気温が0.5-0.6度下がったとされ、局地的に上手く散布すれば高い断熱効果が得られるように思われる。
三番目のミラー効果は一番現実的である。各建築物の屋根に太陽光パネルを設置するのが理想ではあるが、そこまでの大量生産技術は整っていないしコスト面でも問題があり、その代替案として屋根を白く塗るあるいは白い布で覆うというのは魅力的であるように思われる。Google Earthで上空から東京を眺めるに東京ドームを除いて一面にくすんだネズミ色をしており、赤や茶色の屋根の反射能が0.1-0.35なのに対し、白い屋根の反射能は0.5-0.9であり、東京全体が東京ドームのように白くなれば屋根から吸収されるエネルギーは1.5分の1から10分の1程度になる。具体的な冷却効果がどの程度なのかは分からないが、このとき気温に有為な変化をもたらすだろうと推測できる。

参考 :
Solar radiation management / Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Solar_radiation_management