すき家と京大

すき家で強盗が頻繁に起きていることについて、

すき家が防犯対策しない理由
ゆめみがちサロン
http://blog.livedoor.jp/yumemigachi_salon/archives/51680634.html

で説明されているように、今後強盗が増加してある臨界値を超えない限り、すき家自身には対策を打つインセンティブがない。しかし、強盗の頻発には明らかに負の外部性があり、例えば、警察が他の事件に十分時間が割けなくなるかもしれないし、強盗犯グループが住み着けばその地域の治安は悪くなるだろうし、「これなら自分でも出来そう」という形で善良な市民が強盗に目覚めてしまうかもしれない。したがって、国/地方自治体はすき家に対して対策をとるように指導して行かなければならない。

京大のカンニングの件もこの文脈が理解できる。aicezukiのようなあからさまな例は稀としても、スマートフォン全盛の現代において入学試験でのカンニングは一定頻度で起きていると容易に想像できる。しかし、依然として圧倒的多数の受験生は自力で問題を解いているので入試の正統性は保たれているし、カンニングによって合格するのは高々数人だろうから、それを放置しておいたところで生徒の質が下がるわけでもない。したがって、通信機能抑止装置の導入にかかる費用やチェックの強化に必要な教職員の負担を考えれば、大学側としては対策を打つインセンティブがない。
しかし、こうした現状は社会の規範意識に反するし、受験生をカンニングへの誘惑にさらしてしまう。今の日本社会における大学受験の占める比重の大きさを考えれば、これについても文科省などがしかるべき対策を促すべきだろう。