現代の人口論

現代の人口論としては、ハンス・ロスリングのTEDでのスピーチが参考になる。
Hans Rosling: On global population growth
http://www.ted.com/talks/lang/eng/hans_rosling_on_global_population_growth.html

これを、表にまとめると以下の通り。

自転車 自動車 飛行機
1960年 20億人 10億人
2010年 20億人 30億人 10億人 10億人
2050年a 40億人 30億人 20億人
2050年b 40億人 30億人 20億人
2050年c 40億人 30億人 20億人

a : 何もしなかった場合
b : グリーンエネルギー革命により、発展途上国に十分なエネルギーが供給された場合
c : b + サハラ以南のアフリカにおいて、出生率が低下した場合。
(cの場合は、自転車層の人口は40億人より少なくなると予想されるが、上のスピーチでは40億人のままになっている。)

靴 : 衣食住の確保が十分に出来ていない状態。サハラ以南のアフリカ。靴や衣類は贅沢品である。
自転車 : 衣食住はある程度保証されているものの、産業化は進んでいない状態。自転車の有無が一つのステータスとなる。戦後の東南アジア。
自動車 : 文明化が進み、人々は自動車などの精密機械を求めるようになる。昭和の日本。
飛行機 : さらに文明化が進んだ状態。現代の日本。人々は頻繁に海外旅行に出かける。

つまり、人口問題解決の鍵は、エネルギー問題とアフリカにおける出生率にある。そのうち、後者に関しては女性の教育水準の向上、医療の普及による幼児死亡率の低下により少しずつ改善されつつある。このことは最新のハンス・ロスリングのTEDスピーチでも言及されている。
Hans Rosling: The good news of the decade?
http://www.ted.com/talks/hans_rosling_the_good_news_of_the_decade.html
したがって、問題は「90億の人間が文明的な生活を送るのに必要なエネルギーが確保できないかもしれない」という点である。