リバースエンジニアリングの限界

昨今では、リバースエンジニアリングの試みはgeekの間だけではなく至る所で行われていて、その上拡大傾向にある。
例えば、「現役国立医大生の語る必勝勉強法」だとか、「外資系コンサルの若手社員による就活必勝マニュアル」、あるいは「ナンパ氏の語る恋愛テク」みたいなのもそう。
これらが問題なのは、彼らがAdministrator側でないということ。もちろん、ヒューリスティックに近似解を求めていこうという努力は評価するべきだけれども、少ない統計量から得られた結論は信憑性に乏しい。
例えば、東大の学部の入試では集めた答案用紙を全部シュレッダーにかけて、くじ引きで合格者を決めてるというのは内部では有名な話だし、マッキンゼーではピーターの法則に従って、生年月日の下三桁の和の大きさで採用/不採用を決定しているという。
上の二つの話はもちろん嘘なのだけれども、重要なのはuser側から逆問題を解いている限りにおいては、上記のような可能性も否定できないということ。単純なプログラムの逆問題ですら非常に難しいことを考えれば、現実の複雑な問題のリバース・エンジニアリングはほぼ不可能であるというのが妥当な結論である。