幸福論(煉獄篇)

「最新脳科学で読み解く 脳のしくみ」を読んでたら、面白い実験が言及されてて、
17年間に渡り、同じ集団に「今幸福かどうか」を尋ね続けたところ、調査中に幸福度が大きく変化したのは全体の30%程度だったという。つまり、今幸福な人間は70%の可能性で今後17年間ずっと幸福であり、今不幸な人間についても同じであるとのこと。
例えば、ビルから飛び降りようとしている人間は50%の確率で今後34年間不幸であり続けるわけで、安易に「生きてれば良いことあるから!」などと声をかけるのは避けるべきということになる。

最近やたらとGNHとかが持ち上げられているけれど、そもそも幸福などというものは絶対的な価値観ではない。
むしろ、男か女か、文化系か体育会系か、キノコかタケノコかというのと同じで、世の中に対するスタンスみたいなものだと考えるのが自然だと思う。
少なくとも、数多の文学作品に描かれてきたように、人は時として自分の不幸を願う。