厳罰化は何も解決しない。

「自転車:歩行者との事故に高額賠償判決…過失相殺認めず」
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100821k0000m040119000c.html

「自転車:事故で賠償5千万、実刑、失職…加害者に重い代償」
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100821k0000m040125000c.html

自転車乗りとしてはショッキングな記事が二つ毎日に載ってた。これらについて思うことを書き並べておく。

  • 自転車事故の増加の背景
    • 車の買えない若者が自転車に乗るようになったこと。
    • 自転車との接触が重傷につながりやすい、高齢者が増加したこと。
    • 自動車事故が減少して、警察がリソースを注げるようになったこと。
  • 厳罰化が望ましくない理由
    • 自動車事故の大部分は故意ではなく過失である。

どんなに注意を払っていても事故は一定確率で起こるものであり、完璧に防ぐことは不可能。

    • 自転車の車道走行へのコンセンサスがない。

特に都内は路駐が多く、車道を走るのは危険な場合が多い。

    • 保険などが整備されていない。

一定確率で起こりうる事故は、保険の形で自転車に乗る人間が平等に負担すべきであるが、現状ではそうしたシステムが整備されていない。


そういえば、少し前に、

「皇居ランナー急増、歩行者に「どけ!」など暴言→苦情相次ぎルール作り検討」
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1524429.html

なんていうのが話題になってたけど、歩行者同士の接触事故の厳罰化もきっとすぐ起こるだろう。

もちろん自転車事故は正当化されるべきでないし、被害者感情も考慮されるべきなのだけれども、こうして人々の自由を次々に制限していくことは正しくないし、そんな社会で暮らしていきたいとも思わない。