バビロニアの裁判

過去に起こった出来事は結局確率的にしか知ることが出来ない。したがって、刑事裁判の判決も確率的なものにならざるを得ない。けれども、刑の執行の時点では、無罪/有罪の重ねあわせ状態を破る必要がある。これには2通りの方法があって、

  1. 判決確定後に速やかにくじ引きが行われ、当たりが出れば無罪。このとき、|判決> = a|無罪> + b|有罪>として、当たりの出る確率p = a^2/(a^2+b^2)とする。(<無罪|有罪> = 0)
  2. 刑期中毎朝くじ引きを引いて、当たりが出れば釈放。当たりの出る確率pは、当たりが出るまでの日数の期待値が刑期Lの期待値に等しくなるように選べばよく、L*b^2/(a^2+b^2) = 1/(1-p)^2で与えられる。

バビロンでは後者の方法がとられていたらしい。