「国家倒産」のリアル

さすがに向こう10年ぐらいは「国家倒産」は無いと思っていたのだが。民主党の「大きな」政府+ムガベ亀井の影響でかなり現実味を帯びてきているらしい。

OECDの対日審査報告書によると、日本の長期国債が低い水準を保っているのは、
1,豊富な国内貯蓄
2,投資の強いホーム・バイアス
3,魅力的な国内投資機会が限られているという中で金融機関が継続的に国債を購入していること
のためであるという。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/30516594aa5b56e1fec38bc9fd10620a

今後とも、少子高齢化・貯蓄額の世代間格差の拡大が続く可能性は極めて高く、1,2の条件が満たされなくなるとは考えにくい。

3の条件は微妙で、リスクヘッジの関係で銀行は一定以上の国債は持てないはずだけど、日本がデフォルトすれば都市銀は自動的に潰れるわけで、金融機関は国債を買い続けるだろう。

そうすると、破綻はどこから起こるのだろう。

どこかの機関投資家がデフォルトが起こると判断して資産を他の通貨に移すと、そのことによりデフォルトが起こるリスクは高まるので、別の投資家も投資をやめるようになる。そうして、アンプがハウリングを起こすように、一気に1,2,3の条件が崩れるんじゃなかろうか。

もちろん、円安になれば景気は上向くだろうし、インフレが起これば負債額は相対的に小さくなる。でも、インフレはインフレを加速させるので、やっぱりどこかでうまくいかなくなるような。

もう一つ重要なのは、資本主義の機能しなくなった社会の恐ろしさを認識していない人間の集合と、資産をほとんど持っていない人の集合とは、かなり一致していて、彼らはむしろデフォルトを望んでいること。
どっちにしろ日本はもう詰んでいて、「国家倒産」は時期の問題という気がしてならない。