格差は必要?

『資本主義と自由』を読んでたら、フリードマンが所得格差についてこんなことを言ってた。

何か国からの援助が得られなさそうなプロジェクトを立ち上げるとき、社会主義国家では多くの国民一人一人を説得して、金を集める必要がある。
しかし、資本主義の元では一人の資産家を説得すれば十分である。

法律に違反しない限りそのプロジェクトの倫理面は一切問われないから、少数の資本家の判断により多くの損害が生じてしまうかも知れない。ただし重要なのは社会システムが動的であること、様々な価値観や倫理観の間で高い流動性を持つことで、多少のリスクはやむを得ない。

つまり所得分布の標準偏差が大きい方が、結果的に社会は長期的には安定する。

ちょうど熱力学で、比熱が状態量のゆらぎに比例するみたいな感じ。

もちろんこれはリバタリアニズムに基づく議論であって、安易に現状に適用できるものではないけど、格差社会を徒に歎く世の若者にはウンザリなので・・・