「21世紀の歴史」

今日、世論はヨーロッパ帝国最後の君主たちの動向に関心がないように、将来、世論は政治の動向にもあまり関心を示さなくなる。

第四章「超帝国」より

<超紛争>と<超民主主義>はやや極論のように感じられるが、<超帝国>は確実に実現しつつある。

教育は、マイクロファイナンス・生涯教育の拡大により採算の取れるものになるし、警察よりもSECOMを信用している人が既に大半だろう。

ただ、保険会社がライフスタイルの規範を作るという点には疑問を感じる。現在も生活習慣病のリスクに依って保険料は異なるが、人々は暴飲暴食・不摂生を辞めないし、危険なエクストリーム・スポーツはファンを増やしつつある。

人々の判断は本質的に双曲線割引に従うので、規範に従うのは原理的に不可能だ。

そして、こうした人間の性質を考えるに、もしかしたら来るべき超紛争の方が現実的なのかも知れない。