科学者とドーピング

去年初めて下の記事を見たときはさすがに驚いた。

「科学者の2割が向精神薬を使用:『Nature』の調査」

オンライン版『Nature』が4月9日に発表したオンライン調査結果によると、主に科学者からなるコミュニティーから得られた回答の20%が、『リタリン』(メチルフェニデート)や『Provigil』(モダフィニル)など、「脳の働きを活性化する薬」を使用していると認めている。

Wired Vision
http://wiredvision.jp/news/200804/2008041521.html

さすがに規制されるだろうと思いきや、

「脳を増強する薬」合法化を主張する『Nature』論説

脳の働きを安全に高めてくれる薬があるのなら、なぜ使わないのだろうか? 自分が使いたくないからといって、なぜ他人の使用まで止めるのだろうか?

成績や仕事の評価を上げたいため、本来なら注意欠陥障害の患者に処方される薬を、その目的とは違った意図で日常的に、違法に服用している人々が存在する中では、こうした倫理的な問いかけが時宜を得たものになる。

『Nature』誌から、1つの答えが提示された。倫理学神経科学の分野で著名な7人によって、12月11日号に掲載された論説「認識能力増強薬の、健康な人による責任ある使用に向けて」だ。

結論を言えば、合法化すべしということだ。

責任能力がある成人は、薬による認識能力の増強を認められるべきだ」と彼らは書いている。

Wired Vision
http://wiredvision.jp/news/200812/2008121523.html

そしてさらに驚くべきは本家Wired.comのこの記事のコメ欄で、

・学生の7%だって!? 少なくとも僕の周りで、レポートや試験を乗り切るのにAdderall・Ritalinを使ったことがない人はいないと思うけど・・・

・科学はスポーツなんかとは全然違うんだから、薬物使用を不正だなんていうのは馬鹿げてるよ。
http://www.wired.com/wiredscience/2008/12/brain-enhancing/

もちろん反対意見もあったけど、全般に合法化に肯定的な意見が多い。

確かに、アルコールやカフェインは文化で分厚くコーティングされてるだけで、Adderall・Ritalinに比べたら粗野で有害なのかもしれない。でも、恐るべき新時代である・・・